日経新聞の中野京子さんの論考より。
「災厄が問う表現の根源」
6世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパで繰り返し流行したペスト。
14世紀に最大のパンデミックが起こり、ヨーロッパの人口の3分の1を減らしたといわれています。
絵はドローネーの「ローマのペスト」。
天使が悪魔を従え、死者の家を訪れています。
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次の絵はムンクの「病める子」。
ムンクは最愛の姉を結核で亡くしました。
絵は、病床の蒼白い頬の少女を、横の人物が悲しみにくれながら介護をしているシーンです。
コッホが結核菌を発見し、BCGワクチンが接種されるようになって結核は以前ほどの脅威はなくなったものの、何度も人々に流行をもたらしています。
パンデミックは、芸術家の表現すらも変えます。